善光寺楼門に一礼。茅葺き屋根が美しく、中の仁王像は大きく力強いものであった。
この楼門は国指定重要文化財に指定されている。
この階段を登った先に、半壊した美麗なる廃寺があると聞く。
清澄な空気に包まれて背筋も伸びる。ここは神聖な場所なのだ。
見えてきたぞ!!
昼下がりの木漏れ日に照らされて、美しく大きな寺が姿を見せてくれた。
思ったよりずっと大きいお寺であった。独特の雰囲気から、映画やドラマのロケで利用されたこともあるらしい。
ずぅぅぅ~ん。
それにしても…朽ちている。
年々、崩壊が加速している印象だ。
自然崩壊に任せるか、取り壊しか。寺側も悩んでいるのかも知れない。
いつ建てられたかって?
わからない。
不明だが、元禄年間の建立と言われる…。ぶったまげるほど古い!!!
正面の頭上の看板には『月光山』と書かれていた。なんだろうと一瞬思ったが、お寺の正式名が「月光山無量寿院善光寺」なのだ。
二枚の絵ももう何が描かれているのか分からなくなっている。
微かに人物画のように見える。描いた人ももうこの世にいないだろう。
見上げれば千社札。いつ貼られたのだろう。
元禄。江戸時代。建立されて500年以上が経つのか…。
時の重さに圧倒されて
しばし言葉を失う。
逆側も見てみよう。
無骨な鉄釘だ。表面が不均一に畝っており、当時の鍛冶職人による物だろうか。
通常の廃墟だと古くて明治だ。江戸なんて考えも及ばなかった。寺社は凄い。思い知らされた。
裏側にブルーシート。何があるのか気になったが近づくのは危ない。
本堂を撮った写真はよく見掛けるので、最後に周囲にある石碑から何枚か写真を撮ろう。
パシャ。
パシャ。
斜面に埋まる地蔵もパシャ。
パシャ。
ここは厳密には廃寺ではないという。現在は別のお寺の住職が管理を兼任されているとのこと。
500年は大往生ではないか。建設に関わった方々もきっと大満足に違いない。ここまで来たら自然に任せよう。それが礼儀、世の道理のような気もする。
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