山掴(やまつかみ)集落。その名の通り「山を掴んだ」ような日当たりの悪い急斜面に家々が建っている。
1986年時点では13戸の住居が見られたが、ダム建設などの影響もあり、いつしか無住となったという。
山掴集落の斜面は相当であった。見上げた先に家屋が見えるだろうか。多少の迂回はするが、あれが本日のゴールである。
一つ目の家屋が見えてきた。やはり、斜面に建てられている。
倒壊の恐れもあるので、あまり中には入らない。
斜面を迂回して逆側から。お釜は廃村において大好きなアイテムだ。自身はお釜で炊いたご飯を食べた経験がない。一度食べてみたいものだ。
ここには人々の生活があった。
確かな証拠が散見される。
秩父の他の集落は農業が営まれていたのに対し、山掴集落は林業を生業としていたという。
それが他の集落とどこか雰囲気が違う所以である。一面の杉に囲まれており、平坦な場所が殆どない。
さぁ、次の家屋だ。
これも不安定そうだ。
ごめんくださ~い!
勿論返事はない。
屋根がペシャンコ。倒壊は進む。
登る。キツい…。
先の家屋を上から見る。隕石が落ちたかのような穴の空き方だ。
斜面には全壊した家屋が他にも点在。
さらに登る。まさに山を掴みながら登る。
やっとこさ登った…。
あ…何かある。
1970年代に製造されたカラーテレビだった。
隣の部屋には…押し入れに誰かいるぞ!!
!!!
山掴集落は岳集落とともに、2003年発売のホラーゲーム「SIREN」に出てくる「羽生蛇村」のモデルになった集落とされている。
この後、さらに恐怖のギアは上がる。
今日は体力勝負だ。廃村巡りは廃墟の中でもハードな方だと思う。
番犬がいたんだね。熊も頻繁に出る場所だ。
最初に見上げた家屋にやっと辿り着いた。深入りは禁物。ここで踵を返す。
↓
先程、とあるものを
↓
見つけたのだ!!
↓
この生き物のような木がポイント。
進んで、振り返ったところ。見えるだろうか?
!!!
それはマネキンだった。
これは事前に知っていたので良かったが、タイミング次第では腰を抜かしたかも知れない。
じゃあね、マネキンさん。
帰り際に幾つかお墓を見つけ、そっと手を合わせる。廃村は写真映えは少なめ。仮に何もなくたって充分。何かを感じとれればそれでいいのだ。
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