1918年、久根鉱山での電力を賄うために設置された水力発電所。1972年、新豊根ダム建設に伴い廃止となった。水辺に見える白い建物が旧豊根発電所だ。そこから山頂に向かい長い長いパイプが通っていたという。
山の中腹にパイプを通す穴のあるコンクリートが見えるだろうか。
今、そこに立っている。
かなりの急勾配で油断すると「おむすびころりん」のように転がりそうだ。
桜の季節。花見をする余裕もなく、急勾配を下る。
点在する土台をストッパーに下ってゆく。想定外の運動量に汗が止まらない。
ようやく、旧豊根発電所が見えてきた。
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こじんまりとした敷地に建屋が数棟。
少し休憩だ。湖に浮かぶ船は現役だろうか。
頭上にパイプを通した穴が見える。この屋内に連結していたと思われる。
なんて清々しい空間だろう。汗がひいてゆく。
地下を発見‼
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地下への
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冒険が
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始まった
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階段を下り
左手の扉を開けると
巨大な地下空間が広がる。
最初に覗いた場所を見上げる。
小部屋が点在。別の小部屋では、一匹のハクビシンが驚いてこちらを見ていた。
更に下にも地下空間が存在するようだ。
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地下二階へ
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実はこの場所にはかなりの数のコウモリが、密集していた。
もはや用途はわからないが、確かに人々の営みはあったのだ。
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地下三階へ
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パイプ穴の最終地点を確認。
地上界に戻る。汗がひんやりする。豊根発電所の壮大な冒険は始まったばかりだ。
別世界とも言える地下空間に別れを告げる。
今度はトンでもない急斜面を登り始める。油断するとおむすびころりんのように、落ちかねない。
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振り返る
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見事な桜だ。時は確実に循環する。
さらに登って小休止。なかなかの眺め。
てっぺんまでもうすぐ。
最後に赤錆びた階段を伝って登頂。現役の頃は関係者もここまで急斜面を登って来たのだろうか。
登って右手からの構図。
登って左手からの構図。ちょうどT字路のように、両側からの水が合流し、下っていく構造だった。
鳥居のように遺構は続く。少し登ってみよう。
均整のとれたものは美しい。コンクリートはれっきとした人工物であるが、不思議と自然の中に溶け込む。
パイプの通っていた穴。丸が二つあると、顔に見えて仕方がない。
チラッ
時に振り返る。
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そして
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ついに
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ラスボスに
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辿り着いた~!
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どぉ~ん!!一瞬風が吹いた。
葉っぱが頭上から花吹雪のように、パラパラと降ってきた。幻想的な風景に汗がスッと引いてゆく。
「天空の城ラピュタ」の巨神兵のようなお顔。今は動くこともなく静かに眠り続けている。
周辺には他にも下りのパイプが多数。久根発電所(廃墟)にも電力を供給していたらしい。
あの奥のトンネルは行き止まりだった。
巨神兵の頭上から下界を眺めるぞ。
ここは場所柄、解体されることは無いかもしれない。ゆっくりと自然と融合してゆく。人々の歴史を儚い幻想に変えてゆく。
提供:廃墟遺構空撮
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