寄国土(ゆすくど)トンネルがお出迎えだ。この正体は獅子舞で、なんでも浦山の無形民族文化財なそうだ。インパクト抜群!!
浦山ダムの周辺には10前後の廃集落が存在すると聞く。目印にしていた廃車が見えてきた。もうすぐお目当ての茶平集落に着きそうだ。
一人は少し寂しいが。
誰もいなくなった集落には人を惹き付ける不思議な魅力がある。
「警ら箱」だ。地域の住民が連絡事項等を書いて投函すると、巡回に来た警察官が回収するものだったらしい。ネットが普及する遥か前の話。
茶平集落。1955年時点で16戸75人の人口があったが、1960年代から徐々に離村が進み、2000年前後に最後の住人が転居したらしい。
少し離れた場所に自転車。今は舗装された道は見当たらない。以前は走り回れる道があったのだろう。
家屋の裏手に祠。少し傾いている。
さらに土手を登って見下ろすとギターが見えた。当時の賑わいが想像できる。
内部にはテレビがひっそり。
ハンドル付き洗濯機。ハンドルを回して脱水する古~いタイプ。廃村巡りは宝探しのようだ。
さらに進む。
あっ!木の影に…
又、ギターだ。ちょうど光が差し込み、なんだか感じるものがあった。
キッコーのディズニーオレンジ。プルタブ式で相当旧いぞ。
掃除機。
昭和ノスタルジー溢れる玄関。このような景色は消えて行く一方だ。残っているうちに来られて良かった。
テレビ兄弟。あと一台欲しいね。
「傷痍軍人妻の会」とある。傷痍軍人とは戦争のために傷を負った軍人を指す。この後、関連するものも見かけるので後述する。
初めて見る漫画。昭和40年代のものらしい。
あと何年もつやら。万が一の倒壊に供えて、あまり中には入らない。
この不思議な梯子を横目に進む。
なんとも心許ない橋があらわれた。ここから獣道をゆくと、有坂集落に行けるが道は相当危険。昨日の雨で足元もぬかるんでいるので止めておこう。
さらに高台へ。
見晴らしも良い。近年は暖冬で雪が少ないが、当時は一面真っ白だったのかも知れない。
草臥れたポスト。様々なプレートが貼ってある。集落のリーダーのお宅なのだろうか。
テレビやらタンスやら。ふと思ったのだが、山深い地にあって、当時テレビは娯楽として大活躍したのではないか。
あっ!
きっとお子さんがいたのだろう。廃村は様々な想像を掻き立ててくれる。
さらに登るとぺしゃんこになった家屋。よく見るとハンガーが見える。
残された酒瓶。シルバーはポストかな。
材木の継ぎ目のメモに注目。当時の大工さんの吐息を感じる。
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ここで個人的に好きなアイテムに
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出会った
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餅つきの臼だ。祝い事で活躍する立役者。餅つきは一人ではできないため、連帯感を高め喜びを分かち合うという社会的意義もあったそうだ。
ぺったん、ぺったん。掛け声も聞こえてきそうだ。今は静かに余生を送っている。
お墓も点在し「故陸軍伍長勲八等…」と銘記されていた。戦争の名残はこのような集落にも残る。又、昭和前半のお墓も複数あった。
滑ったら転げ落ちそうな斜面の上にお堂がある。最後に手を合わせて帰ろう。廃村には底知れない魅力がある。残されたノスタルジーを探しにもっと巡りたい。跡形もなく消えてしまう前に。
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