戦前から開院している外科病院で、100年以上の歴史を持つ。建物の構造が「玉」の字状になっていることから、この名前がつけられた。
古い診療所にはなぜか残留物が多い。当時の記憶が随所で息づいているのだ。
診察室。
奥には手術室。
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大きな単眼の無影灯が出迎えてくれた。玉の字医院の代名詞とも言える部屋。
この場所でたくさんの生死のドラマがあったことだろう。
当時の清潔感はないが、この空間に流れる静謐さは保たれている。
入り口に戻り廊下を直進。ちょこんと置かれた灰皿に時代を感じる。
確実に進む荒廃。時間は最大の破壊者なのだ。
「玉の字」の横棒に広がる廊下。患者さんの部屋を覗いてみると…
天井が無い。右側の紙には「点滴の方は各自毛布を御持参下さい」と書かれている。
そして向かい側。昔はベッドが並んでおり、会話も交わされたのだろう。
当時はこの小さな診療所が、地域住民の医療を一手にまかなっていた。
今は朽ちゆく診療所が多くの命を守っていたのだ。
※2022年2月 解体の報を聞く
※こちらの当時のお写真をお持ちの方がいらっしゃいましたら、是非ご一報下さいm(_ _)m
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