綺麗なペンション群や美しい湖、壮大な蓼科山を望む場所にそれはある。
澄んだ青空。長野の冬は星も綺麗だ。
先客かな…雪には動物の足跡。
1970年代に建設され、2009年頃に閉鎖されたチャペル。冬の雪と相まって、思わずため息が出るほど壮観な佇まいだ。
少しドキッとした。奥の講壇、灯りが灯っているように見えた。
設計者は光の差し込みも考えたに違いない。廃墟となって尚、絶妙な角度で屋内を演出し続ける。
ステンドグラス。美術館と言ってもいいほどに美しい。
二階へ。
改めて見ると、廃墟特有の人的荒廃が殆ど無い。神聖な場所なのだ。
でも
廃の手は確実に忍び寄る。一時は保存の声もあったが、地権が複雑で売却も取り壊しも出来ないという。
そっと席に座る。
多くのカップルが祝福を受けて、ここから新しい門出を迎えたのだ。胸が熱くなる。
外の天井には式を挙げたカップルたちのプレート。
実際、ここで挙式した方のブログも拝見した。教会の保存を呼び掛けており、愛されていたんだなと思う。
愛を結ぶ恋人たちの丘。以前はここにマリア像が立っていたらしいが、見当たらない。きっとどこか遠くで、巣立った恋人たちを見守ってくれているに違いない。
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