晩秋の候。一面に敷き詰められた落ち葉を踏みしめ、丸太で作られた簡素な橋を幾つも越えてやって来た。
ダッヂWC54というアメリカ陸軍汎用車。戦後に進駐軍が日本に運び込んだものだ。錆び付いて赤茶けた状態で、半ば土に埋もれるようにして残っている。
この勇姿を見たかった!!!ここは半端な気持ちで来られる場所じゃない。嬉しさで疲労も吹き飛んだ。
なだらかに続く斜面の上まで登ってみよう。
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結構急だった…。時折、笛のホイッスルのような声が響き渡る。遠くで大きな鹿が数体、目視できた。
さぁ撮影会の始まりだ。
ドアには銃弾の跡。
車輪の埋もれ具合は、長い時を感じさせる。タイヤを注視するとMADE IN GREAT BRITAINの文字。
右のタイヤはコテンってなってる。
このサイドミラー。どんな世界を映して来たの?
白文字で自家用。どうやら、民間に転用された後に放棄されたようだ。
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この廃ダッジは
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芸術家の顔も持つ
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荷台に未来の大樹を背負っている。
実は荷台だけではなく、本体と荷台の間からも生えている。二刀流だ。
万緑の季節はたくさんの葉をつける。冬は雪化粧。春夏秋冬を通してファンを楽しませてくれる。
ちょっと、乗ってくかい?
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ブブン…ブルーン…。実際にハンドルを回した日々は存在したのだ。白いメーターは最高速度60kmを示している。
もう目に光が灯ることはないけれど。
俺のハートはまだまだ熱いぜ!!って、そんな顔してる。この正面のプロペラも勢いよく回っていたんだ。
この廃トラックは幸せなんじゃないかなと思った。毎年たくさんの人が会いに来てくれる。暑い夏や、真冬に来る猛者もいるだろう。みんな満面の笑みで駆け寄るのだ。春夏秋冬、これからも会いに行こう。
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