新梨子(しんなし)発電所は足尾銅山関連施設の一つ。重油を燃料とする発電所で、非常用電力供給設備として1915年に建設された。当時としては国内最大規模の出力を誇ったが、1954年に廃止された。
昔は空襲で被弾しないよう、壁に迷彩塗装が施されていた。今でもうっすら見える。
この窓の輝きは、遠目からも確認できていた。次第に高まる鼓動。
わぁ…思わずため息。天井が高いぞ。
重厚な鎖がぶらーん。無機質な鉄骨が鳥居のように残る。
このレールはどんな役割を果たしたのだろう。
窓も最高に美しい。
この先は通洞動力所。後で行ってみよう。
地下室だ。
中は物置になっていた。
明るいと思ったら頭上に大きな穴。
雪の重みで空いたのだろうか。
無言のスイッチ。
ぼろぼろのカーテン。長い時間を感じさせる。
実はこの静かな廃墟に、年に一度、孫が来る。否、孫がいる。
小さな愛らしい山車だ。毎年春に町内会でお祭りがあり、大活躍するのだ。常に咲き誇る桜で着飾った姿は、この廃の世界に於いて紅一点。
ウキウキ…今から春を心待ちにしている。
廃墟じいさんと孫娘が同居する素敵空間。春はもうすぐだ。
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