国道沿いの目立つ場所にある昭和の老舗ホテル。すぐ近くに立派な道の駅もあり、観光地のど真ん中だ。アニメ「夏色キセキ」の幽霊ホテルのモデルとしても有名らしい。
廃墟年齢的には老翁の域にあり、緑が立派な顎髭に見える。残された魅力を探しに、正面の車寄せへ向かう。
予想通り荒れ果てている。先人のブログだと姐さん(日本人形)達の盛大な出迎えがあるらしいが、どこにも見当たらない。
ロビー。
このピンクの自販機。昔どこかで見た気がしたが思い出せなかった。
喫煙所という概念が当時はない。客人はソファーに座ってのんびり煙草を燻らせただろう。
館内は複雑で迷宮のよう。
剃刀の販売機が見つめる先。
大展望風呂だ。
かつては下田湾を一望できたロケーション。
【旅の心は湯の香り。溢れるいで湯と眺めの良さ‼】※パンフレットの写真とフレーズより
三階にやって来た。左側の天井が崩落している。奥には厨房があった。
客室が焼けている。放火があったようだ。
四階。先程の崩落の真上。風雨により床が腐食している。アリ地獄のようになっており、先への通行を阻む。
客室は天井からの光と雨により植生が進む。
大広間の案内文字。自然と足早になる。
壮観だ!!200名様を収容できる135帖の大宴会場があらわれた。
たくさんの○○様が歓迎されてきたこの場所。
壇上でマイクスタンドの前に立ってみる。
下田は芸者さんが有名。美人芸妓揃いで、下田節の一節に「伊豆の下田に長居はおよし、縞の財布も軽くなる」と唄われた程だ。
大広間から外に出てみた。この場所でほろ酔いのお客さんが、下田湾を眺めながら夜風を浴びたのかな。
千鳥足でお帰りだ。
途中で卓球台を発見。ラケットがゾンビ化している。…てか、部屋が狭すぎやしないか。
なんと、帰り際はべっぴんな姐さんが二人、お見送りをしてくれた。
廃墟界の老翁は、昭和の情緒溢れる懐かしいホテルだった。
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