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せせらぎ医院

中心を川が流れるのどかな町並みの中に残る。その地域の景観を崩さず、むしろ花を添えるような美しい外観だった。

広い庭だ。手入れが行き届いていた頃はだいぶ趣があったと思われる。

大きな入り口。スリッパが整列している。

結核予防法指定診療所のプレート。今は怖い病気では無くなった。コロナも早く収まるといい。

受付の裏側は綺麗に片付けられていた。

こちらも伽藍としている。

左はレントゲン室。右手はなんだか何かが出てきそうな感じだ。

レントゲン室には人がいた。

一瞬、人が手を広げているように見えた。実際は真っ暗で何も見えない。

大きな建物だ。

エアコンが不似合い。それほどに古い建物なのだ。

照明器具がハイカラ。

窓にうっすら硝子に貼られた向日葵。

暗闇の中に射し込む一筋の光。

ここも廃は確実に進んでいた。     

二階へ。凄くドキドキする。

さりげなく手すり。バリアフリー。

外から見上げた窓と再会だ。

ミッキーマウス。生活感を感じさせるものに出会った。

丸窓だ。きっとここから、風情ある庭が一望出来たことだろう。

なんとなく、この部屋は昔賑やかだったような気がする。そんな気がしてならない。

いずれこの建物も無に帰すことだろう。一つの歴史が、物語が幕を閉じるのだ。

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