
1970年に閉校となった。稼働していない工場の細い脇道を登っていった先。森と一体化するように佇んでいる。

杉林に囲まれて、何だか神聖な感じだ。

少し山道を進んだ先には、小さな祠。


昔ながらのシンプルな下駄箱。

一瞬、呆気に取られた。凄い荒廃ぶりだ。


黒板も顔面蒼白。


ここは退廃空虚の草むらになっていても、おかしくなかった。むしろ、よく残っていてくれたと思う。

教壇に広げられた電話帳は、廃校前年度(1969)のもの。ここの長老様だ。

缶のさび具合が長い時間を感じさせる。


屋根の瓦は自重で落下。
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当時の面影を
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探してみる
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人がいなくなって、約半世紀。長い旅ももうすぐ終わりだ。

帰り際に周囲を巡っていると、光が射し込んでいる場所を見つけた。
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人知れず並ぶテレビ達が輝きを放っていた。それはすべての物に訪れる最後の輝きだ。
ここはもうすぐ自然に還る。自分の人生よりも長い時を歩んできた。それは物であっても、畏敬の念は感じずにはいられないのだ。
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