1961年に運用廃止。滑走斜面に作られた茶畑の中にその発電所は存在する。この写真は車道から撮ったものであり、初めて目にする方はビックリするだろう。フジテレビの「世界の何だコレ!?ミステリー」でも紹介された。
かなりのアクセス難。越すに越されぬ大井川の激しい蛇行の中を渡河しなければならない。
時期によっては、深過ぎて渡れない。山からのルートもあるが、それも大変だ。
さぁ、見えてきた。ここは茶畑が美しいシーズンに来るべき場所。
入り口にケーブルがある。
定期的に管理されている方がおり、荷物の運搬に使っていると聞く。
思わず息をのむ光景。三丁目の夕日で走ってるようなレトロ自転車が並んでいる。昔は一緒に走っていたのかな。
「日米商店」は1899年創業の老舗自転車メーカー。太平洋戦争期に社名は変更された。
茶畑の中の神殿と言われるらしいが、まさしくその通り。
今日は小雨が降ったり、日が射したり天気が忙しい。
気まぐれな太陽によって、カメラマンは踊らされる。
丸太などで覆われている大穴が二つ。管理人の方が転落防止のために、わざわざ作ってくれたものらしい。
窓の外は整然と並ぶ茶畑。落書きも一切ない。ここは神聖な場所なんだ。
物語は地下室へ。
大穴を見上げる。
そして、この穴…小石を放ると2秒後にジャボンと音がした。落ちたら、The End 終わりだ。
となりの小部屋くん「気をつけて!」
土砂が流入し続けている。それは、やがて深い穴へと落ちてゆく。これからも。
最後に、屋上に登った。
渡河してきた大井川。
今日は穏やかで良かった。近くの大井川鉄道は今もSLが運行しており、迫力のある汽笛が響き渡る。
あまりに美しい光景に気負ってしまい、最初はカメラを構えることが出来なかった。大井川の冷たさが、今でも足に残る。ここは日常から切り離された楽園のような場所。廃墟にまつわる全ての醍醐味が集約されていた。
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