
創立は古く1873年。1984年の学校統合により閉校した。モダンな造りで玄関上部には切妻折屋根破風の意匠が施されている。両サイドのコンクリ支柱は大正時代のもので歴史を感じさせる。

惚れ惚れとする外観だ。黒みがかった渋い板張りの木造二階建て。校舎の側面には日本地図の跡が見える。

この学校は別名「ベートーベンのいる学校」と呼ばれている。

一階の廊下。窓からの採光が気持ちいい。

図書室。本がたくさん残されている。

使われなくなって約40年。外観からは気付けなかったが、侵食は確実に進んでいた。


おそらく昭和29年の建築。現存するだけでも凄いことだ。



ポカポカ…。

黒板に描かれた坂っ子の木は今なお健在だ。当時は子どもたちの作った実を付けていたのだろうか。

二階へ。

木造の踊場は文句なしに美しい。

校舎の絵が飾られている。地域で愛されていた証拠だ。

二階の廊下はさらに開放的だった。木造のぬくもりを感じさせる。

図書室。底抜けが恐ろしく、進めない。

よく見ると廊下の床が所々抜けているのだ。

音楽室。


広々としていた。講堂も兼ねていたのだろう。

ベートーベンは見当たらない。

唯一無二の美しい木造校舎に別れを告げる。

最後に広い校庭を巡った。

鉄棒の目標だろうか。戦後すぐに建てられた立派な校舎は、山あいの小高い丘に隠れるようにひっそりと眠っている。
※2025年に解体の報を聞きました。
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