菜園場(さえんば)劇場。昭和30年代にオープンした映画館だ。当初の見込みより客の入りが悪く、数年間で閉店となったらしい。
遠くない場所にも一館あり、映写機の貸し借りなどで提携していたんだよ、というのは近くの商店街のご主人の談である。
当時は映画館が流行った。昭和32年当時、高知市内だけで32館もあったそうだ。
全国的なブームだったのだ。
上は二階席だろうか。当時の写真とかあったら見てみたい。
ここでも緑は場所を選ばず繁茂する。
二階にも植生。天井が無く青空が見え、まるで遺跡のような佇まいだ。
時々タダで見られたんだ。商店街の特権よ(笑)話を聞かせてくれたおじさんの顔が、少し少年っぽく見えた。
うっすら残る階段の跡。
こちらも。でも二階には行けそうもない…。
大きな排気口だ。当時を物語るのはこれくらいか。
ここは街のド真ん中にそびえ立っている。目立たないけど、この一角だけ時が止まっているようだ。
取り壊しにも費用がかかるので、ずっと放置されたままらしい。行政が本気で動けばあっという間に無くなる気がする。
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高所からの眺め。鉄骨はまだ堅牢そうだ。
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高所から…
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時代と共に変わりゆく地域の風景。この遺構の中だけは異次元空間のように半世紀前の雰囲気を残している。廃墟とは必ずしも負の遺産ではないと思う。ここに関わった方々の懐かしい思い出の場所でもあるのだ。
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