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眠るオルガンの小学校

1978年に廃校となった平屋建ての木造校舎。

手探りの探索だったが、学校は高台にあるという勘は間違っていなかった。

窓から溢れんばかりの緑は紫陽花。旬は過ぎており、だいぶお待ちかねだ。

眠るオルガン。この会えた時の感動は形容できない。取り敢えず他を先に巡ろう。

手書きの教室プレートが可愛らしい。

校内は大分朽ちていた。少し解体も入ったのだろうか。

ありし日の正面入口。

一台のミシンが陣取っていた。

それでは

本丸へ

錆び錆びのキリンビール。きっと君は後から置かれた。ここは学校だもの。

床が無い。自然崩壊?はたまた…。

少しずつ近づいてゆく。

やっと会えたオルガン。すっかり自然に溶け込んでいる。

窓辺で外を眺めているよう。

時間の流れなど気にすることなく、陽光が降り注いでいる。

奏でるのは静寂。

時期が時期ならば、満開の紫陽花が見られたかも知れない。

このオルガンが大好きだ。ずっと元気でいてほしい。

外の校庭には、大きく立派な樹木があり、創立百周年記念の石碑が添えられていた。すぐ側には民家が一軒あり、ご年配のご婦人との話に花が咲いた。ここは、数ある廃校の中でもとびきり心に響いた場所である。

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