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王滝楼

1970年代に開業した結婚式場と宿泊施設を兼ねた巨大な複合施設。新館と旧館からなり、収容人数は150名、複数の宴会場を備えていた。

まずは新館。こちらの設備投資が裏目に出て、閉業したらしいが…。

パチン…

パチン…

人の営みには我関せず…
廃墟の神様は、囲碁に興じている。ちなみに外は、断崖絶壁。

窓辺には近寄りがたし。

何となく先に屋上へ登ってみた。都会の喧騒から離れた自然に囲まれている。

広い宴会場だ。パンフレットと比較すると、いつもながら一抹の寂しさは拭えない。

…。

フロントへ。

不法投棄の山、山、山。足の踏み場も無い。

旧館へ

行ってみよう

金属の手摺が無いのは解体途中か、はたまた盗難か。

いやもう、完熟。

再び宴会場だ。

まるで緑のレースカーテン。

厨房。

地下には大浴場があるはずだ。

ほんのり緑を帯びている。本来ならば有ってはならない有事だが、廃墟となると、なんとも乙である。



祭事部屋は



トンでもないことに!

この物件は近年、放火があったと聞く。煤っぽい空間、本殿も几帳も無惨な姿になってしまった。



最後に



サプライズが待っていた!!

披露宴会場だ。
天井にはシャンデリアの面影。

きっと誰かが置いていった象牙。門出を祝福する造花も添えて。

さらば、王滝楼。火事の焼け跡が痛々しい。

建物の裏側には川が流れている。長閑な田園風景に囲まれた巨大なホテル。今も、静かに佇んでいる。

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