水窪(みさくぼ)と読む。1970年に廃校。1951年の伊勢湾台風の際に建て替えられた校舎が、山奥にひっそりと佇む。卒業生は水窪の中学まで二時間歩いて通った!というくらい相当な山奥である。
かなりの急斜面を登ってきた。猫の額ほどの敷地に、かつての遊具の跡。
この辺りは林業が盛んで、最盛期には50名の生徒が在籍したという。
校舎の裏手。ここから驚きの光景が待っていた。
夕日に照らされ、伸びる影。
隣の部屋。この分校は二教室のみ。
黒板消し。赤いカスタネット君と友達だ。
六つの机が整然と並ぶ。大切に見守っていきたい。そのバトンを訪問者みんなで繋いでいる。
人里離れた集落。不便も多かったろう。
しばらく惚けてしまった。
随所に、思い出のカケラ。
最後の年、生徒は六年生の女子一名だけだった。三学期から水窪小学校本校に転校した。雪を考慮してか、はたまた少し寂しかったのか。
最初のインパクトから20分が経過。急速に光が弱まってきた。太陽の気まぐれに会えるかは本当に運次第。
裏山には石碑があり、そこから教室が見えた。
ふふ…授業参観だ。
ここの歴史は古く明治12年に開校。以来91年の間、291名の卒業生を送り出してきた。学灯を消し廃校となるも、いま尚輝き続ける。
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