栗山集落は、主要道路を挟んで上側と下側に分かれている。まずはアクセスが比較的容易な下栗山へ。数軒の家屋や作業小屋が残る。
人が居なくなって長い年月を感じる。下栗山の離村は1970~1980年代にかけて進んだという。
急斜面を下る。ここに住んでいたら足腰が鍛えられそうだ。
大きな家屋だ。玄関の土台の端は少し宙に浮いている。傾斜地になんとか土地を確保した感じだ。
中は雑然としていた。額入りの賞状を部屋の上部に飾る風景が、昭和の廃村の定番となってきた。
さらに下る。
赤いランドセルだ。
麦わら帽子。きっと、一つ一つに物語がいっぱい詰まっている。
下栗山は林業を主としていた。全国的に林業は1970年代から急激な衰退してゆくが、ここも例外ではなかった。
崩れかけた祠。この集落を最後まで見守っていたことだろう。
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上栗山集落へ。
こちらは農業を主としていた。下栗原と離村時期が異なるのも、その産業形態の違いが起因している。2000年頃に最後の住民が山を下りたという。
上栗山も急斜面に数軒ある。
中は暗い。やはり額入りの賞状が飾られている。
外には薪。煮炊きや風呂に使ったのだろう。
長らくお疲れ様でした。これらもまた一つ一つに思い出が詰まっているのだ。
自転車だ。当時は走り回れる道があったということ。にわかには信じがたいが。
家財道具が割とそのままなのが不思議だ。
お洒落なレコードプレーヤーも残る。
急な斜面を登り、次の家屋へ。
廃村はホント体力勝負だ。
なんちゅう不安定…。
中ではお人形さんと椅子が向かい合う。
眺めは絶景…ではある。
少し小雨が降ってきた。
たぶん一番高い場所。
足踏みミシンがこちらを伺っている。
屋内のテーブルには三冊の本が丁寧に置かれていた。人為的ではあると思うが、何だか神妙な気持ちにさせられる。
ここの人々は山と共に暮らした。
不自由な事も多かったとおもうが、楽しいことも沢山あっただろう。
誰でも住み慣れた土地を離れるのは寂しいものだ。時流とは言え、割り切れない思いもあったに違いない。残された建物や家財道具たちは、今も沈黙を保っている。
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