1938年に建設された砂鉄から特殊鋼を生産する精錬所。日中戦争の金属需要に応える予定が、資材不足などで生産には難儀したという。1943年には海軍に供出し、武器庫、機関砲台、科学工場などに利用された。
煙突は遠くからでも目立ったが、敷地全体に激しく草木が繁茂しており、接近は困難を極めた。
半壊した巨大なコンクリート施設がやっと近づいてきた。
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凄い‼予想の斜め上を行く光景に、汗が吹き飛んだ。
屋根のコンクリが、落っこちそうではないか。
オオハンゴウソウ(キク科)が咲き乱れる。夏の探索は過酷だが、得られるものも大きい。
登ってみよう。
タイヤが物憂げ。先人達が使ったのだろう。
さらに進めそうだ。
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まるでゲームの世界のよう。さらに奥へ進む。
後述するが、ある生き物が多く生息している。さらに、上へ続く階段も見える。
世紀末な階段。
想定外のサプライズに胸が躍る。はるばる本州の先端まで来た甲斐があった。
内部には精製用のホッパーが多数並ぶ。ここは地元で「こうもり屋敷」と呼ばれている。生き物の正体は巨大なコウモリ、バッサバッサ飛び交っていた。
脆弱な階段を登り、さらに上を目指す。
巨大な空間が待っていそうだ。
階段を登った先。こりゃ凄い!!
下を覗く。
超慎重に進む。
落ちたら、タダでは済まない。
うっすら落書き。先人の存在は時に安心を与えてくれる。
通路も所々で崩落。一旦、外に出られそうだ。
最初に見上げた風景を、今度は見下ろすことになろうとは…。
ここから、屋上へ這い登る。今日は本当に体力勝負だ。
森のど真ん中、見晴らし抜群。
点在する穴。地獄へ直結だ。
ここは、きっと解体されないだろう。
長い年月をかけて、自然に風化してゆく。
何度も見ちゃう。
最後にあの煙突を見て帰ろう。
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自転車だ。最盛期は800人以上の従業員が働いていたという。現役の頃はどんな風景だったのか。今は、想像もつかない。
1945年8月。終戦と共に大湊工場も閉鎖される。この巨大煙突は時代の生き証人だ。
言わばお国のために、戦争のために作られた煙突と大湊工場。戦後60年を越えて、尚も深い森の中で息づいていた。
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