1915年に豊富な鉱資源が発見され、鴻之舞鉱山を中心に学校、病院、社宅を備えた大鉱山集落が形成された。1973年に閉山。木造建築は跡形もなく消え失せ、残るのはコンクリートで作られた発電所と巨大煙突のみである。
巨大煙突を目指し、山道をゆく。昨晩の雨で地面はしっとりと濡れており、晩秋の朝は気温もぐっと下がる。
鴻之舞発電所があらわれた。
白壁にモダンな造り。苔の緑と、コンクリートの赤茶が映える。
無彩色に徹した人工の美しさに、自然がちょっぴりキスしてくれたんだ。
良い廃墟には良い窓。
ここは森の中、響くのは足音のみ。
静寂。それも廃墟の醍醐味なのです。
秋も終わりだ。もうすぐ冬が来る。
ここでお弁当を食べたいところだがよそう。お腹を空かせた熊がやってきたら大変だ。
アーチ型の窓。ここが正面の入り口か。
耳を付けたら熊さんじゃないか。
口の中へ戻ろう。
美術館と言っても過言ではない。
廃墟美とはまさに美術のジャンル。ここは365日、四季折々の様々な表情を魅せてくれそうだ。
北の大地に抱かれるように、今もひっそりと眠り続ける。
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