
山間の砂利道を進むと突然大きな建物。非常に辺鄙な場所にある。この病院はまさに漂流しているようだった。

閉鎖してから、半世紀ほどだろうか。

自然との融合は静かに、そして確実に進んでいた。
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予想外の光景が
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目の前に広がった。
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壮大なる渡り廊下。二階建ての病棟が数棟あり、ここで連結されているのだ。

食堂への扉。床の痛みも激しく、なんとか体を保っている。

コンクリート打ちっぱなしの壁。消火器オールスターズが佇んでいた。


食器が散乱している。

モスグリーンのお風呂場。昭和を感じさせる懐かしい色合いだ。

規模は違えど松尾鉱山アパートと少し似た感覚がよぎる。凄く気持ちは高ぶっている。
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病棟を巡ってみよう。
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残る残留物が哀愁を漂わせる。


木造部分はさすがに痛みが激しい。


無への回帰は確実に進んでいる。


棟によっては階段は完全崩壊。

絶望的な踊場。全ての二階への道が閉ざされる日も、そう遠くない。

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開けると…
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なんということだ。部屋ごと落ちていた。

全て見るのにだいぶ時間を費やした。

紹介しきれないほど広いのだ。

最後に応接室と薬局。

薬局。

角部屋に位置しているためか崩壊が激しい。
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応接室へ
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黒椅子たちが整然と並んでいた。

ここが漂流病院の中枢、次の行き先を皆で話し合っているのだ。

漂流病院は漂流し続ける。自分もこの病院と共に漂流している。このまま一緒に流されてしまう前に、病院から急いで離れよう。
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