大正末期に建築された歴史的価値の高い木造建築。正面玄関のデザインがどことなく西洋風で、赤い屋根の鬼(おに)部に平マークが見える。
まず、この階段に驚いた。完全に崩壊している。
まだ走り足りなそうな自転車が、暇をもて余す。玄関は固く閉ざされている。
重厚なジャノメミシン。調べてみたら1950~60年頃の足踏みミシンだった。
用途不明。
文字は反対向きなのではない。この時代は右から左に読むのだ。
この医院の一番の特徴は、六角形に扉が配置された小部屋だ。とってもお洒落な造り。右側のガラスに薬瓶のシルエット…見に行こう。
地面にたくさんの貝殻が落ちていた。昔、薬の入れ物としてよく使われていた。
薬局の無い時代。解熱剤や胃腸薬などの処方薬は病院内で調合していた。
この壁の絵が二階へ行けと誘う。
こっちの階段も崩壊済み。駄目じゃあ~。
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何とか登った。
何か散乱している。
戦時中の写真だ。写真に写るのは平野医院の院長さんと思われる。兵役にも就いたようだ。戦争はすべての人の人生を狂わせる。すごくすごくリアルだ。
今も存命なのか、それともこの世にいないのか、それもわからない。ただ、この場所に廃病院が残されている。窓の外はあきれるくらいに長閑だった。
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