1928年に京都電燈により建設された高祖谷駅。現役の比叡山ロープウェイから遠く離れた森の中に、ひっそりと佇んでいる。
到達直前の写真。かなり遠回りをしてしまい、嬉しいというより安堵の方が大きかった…。
アーチの道をくぐる。ありがとう、ありがとう。
両サイドには物置のような小部屋。
そして振り返る。自然と融合した近代建築は、うっとりするほど美しい。
側面はこのように一ヶ所だけ空洞がある。
見上げると四角い空。
残念ながら、用途は分からない。でも、当時は大切な役割を果たしていたのだ。
近くには切符売り場が残されている。
1963.9.22の筆跡。落書きだって歳を取るんだ。
完全に倒壊するのも時間の問題。
深い穴があるぞ。下まで行ってみよう。
ここはロープウェイ。重りを吊るしていたのだろうか。
天気に恵まれて良かった。手前には、当時の金属片が残る。
探索終了。凱旋門をくぐって帰還する。
この場所は1942年に、太平洋戦争の影響で廃止された。半世紀を越えて、さらにこれから、ゆっくりと朽ちてゆくのだろう。
帰り道、現役のロープウェイが頭上を通過した。思い切って手を振ってみると、向こうも手を振ってくれた。旅の恥はかき捨て、休日を謳歌している。
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