ずいぶん山奥まで走ってきた。校庭に光のベールが射し込んでいる。思わず嬉しくなる光景だ。
出合小中学校は、山あいの小さな学校だ。昭和26年から33年間に渡り224人の卒業生を輩出した。ここは桜の季節が有名で、校舎の前には春を待つ大樹が誇らしげに並ぶ。
校庭のそばに清流が流れる。透明度抜群、きっと飲める。
奥の建物は公民館。
さぁ、校舎へ。中央の正面玄関はこの通り。
端からお邪魔します。
五線譜ボードが照らされている。
かなり崩壊は進んでいた。あと何年、風雨に耐えられるか。
人が使わなくなった建物は老朽化が早い。
まずは屋根から痛む。屋根から風雨が忍び込み、床を腐らせる。
少しだけ残る当時の面影。
あの小窓は個人病院でよく見かけるものだ。
小窓は正面玄関と繋がり…
ごめんくださ~い。たくさんの生徒やお客さんが、ここを覗いただろう。
校舎の裏側。緑の窓枠が自然と調和している。
この部屋でおしまい。当時を物語るものは、もう残ってないのかな。
と、思った矢先。
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当時の生徒の作品だろうか。画用紙ではなく、桐材に大樹が描かれている。
校舎はいずれ無くなりそうだ。でも大樹たちは、毎年たくさんの桜を咲かせるだろう。その大樹を見上げて、大きくなった卒業生は当時の青春を思い浮かべるのだ。
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