昭和初期に建てられた木造校舎。林業が盛んだった時代には30人程の児童が通っていたという。1977年に統合のため閉校となった。
夕暮れ時。一歩入った瞬間から、直感的にいい校舎だと感じた。
建築されて80年くらいだろうか。
職員室。右手の部屋では会議が開かれていた。
一同に集まり、話し込んでいる。
どうやら、一番背の高い彼が憤慨しているようである。
彼とは、この座高測定器だ。健康診断で座高が測定されなくなったことに憤慨している。隣では椅子が真剣に相づちを打つ。
人々がいなくなって半世紀。この校舎はゆっくりと年を重ねている。
古いテレビ。間違いなく人気者だったはず。
当時テレビは全家庭にあったわけではない。美智子さまご成婚、アポロの月面着陸、地域住民が学校に集まってテレビを囲む事だってよくあったのだ。
これまでの時代をゆったり振り返るような、いい雰囲気だ。
それにしても、戦前からある校舎というのは凄みがある。大変な時代を生き抜いた人々の息遣いを肌で感じるのだ。
この机たちは、どんな子供たちが使ったのだろう。彼らは今、何をしてるんだろう。
もう戻らない、懐かしき日々。
ひっくり返ってる机たち。まさかこんなに長い間、放置されるとは思わなかっただろう。
1948年に初めて秋季運動会を開催し、地区全体が大いに盛り上がったという。学校はその地域のシンボル的な存在であった。
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奥の倉庫に
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意外なものがあった
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額縁に収められた一枚のジグソーパズル。異国の女の子が動物を抱いている。
校舎の裏山を登る。
小さな祠があった。この学校の創立は明治5年、氏神山祇神社の拝殿を利用したのが始まりだったという。お花を供えた跡。今も山深いこの地に人が足を運んでいるようだ。
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