崎戸島を走っていると、気になる光景が目に飛び込んできた。
二本の船台が見える。入り江に静かに佇む使われなくなった造船所であった。
スッと引かれた二本のレール。船を大海原へと導く道しるべ。
造船所にはもう一つの顔がある。
使われなくなった船の終着駅、解体場だ。大小様々な船が長い眠りについていた。
大きな船が目に飛び込んでくる。
船底に魚倉。漁船だったようだ。
持ち主が、ここに現れることはもうない。
やはり、船は海に出たいのだ。船台の方へ行ってみよう。
多くの船を送り出し、迎え入れたレール。
海面には海月が漂う。
初夏の太陽が眩しい。まるで大海原へ誘うかのようだ。
体験を共有できる仲間は何物にも代えがたい宝物。自分たちはまだまだ現役の船。廃墟という大海原を今日も旅する。
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