
国道411号、親川バス停から登山口へ。40分ほど登った先に高畑集落はある。

高畑集落は主に林業を生業としており、2000年頃まで居住者があったらしい。往時は七軒ほど、現在は三軒の家屋がかろうじて残ると聞く。

想像よりなかなかな登山だった。

度々出会う土砂崩れや落石の跡。


こちらの岩の中に道祖神を見つけた。

岩にガッチリはめ込まれており、だいぶ昔からありそうだ。なんとも心強い存在だ。

登山道なので標識が時折姿を見せる。迷う心配は無いが、兎に角道が脆弱、心許ないのだ。

標識は天平(でんでえろ)と読む。名前通りの広く平たい尾根が続く。

何度もこの先は進めないのではないか、という気持ちにさせられる。不安&安堵の繰り返しだ。

道には落ち葉が堆積。スリップに気を付けながら進む、進む。
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石垣…。

おっ!

見えてきたー!!ここが高畑集落だ。

一つ目の家屋。投入堂のような…うん、頑張っている。踏ん張っているぞ。

二つ目の家屋。

年代物の洗濯機。こんな山奥まで電気がちゃんと通っていたことが分かる。


先人のブログを見ると20年前は壁は残っていて家屋の体をなしていた。今は吹き抜け状態だ。




昭和の空き缶。この状態で見つけたので、きっと誰かが立てていったのだろう。

残留物は殆ど無い。

と思ったが、崩壊が進む過程で新たな当時の面影に出会えた。ご家族の中には学生さんもいた節がある。

もう少し進んでみよう。

三つ目の家屋が見えてきた。

家の前には石碑。

外からちょいと覗き込む。壁には1994年のカレンダー。玄関では餅つきの臼が寂しそうに佇んでいる。

裏手へ。

裏山には祠。

二階が見えた。

コタツテーブル。当時の生活感が僅かに伺える。

ここで豹が降ってきた。天気予報は晴れだったのに、山の天気は信用できない。濡れた枯れ葉に軽いスリップを繰り返しながらトットコ帰ったのも今は懐かしい思い出である。
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