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観音崎の観測施設 

旧日本軍の砲台跡が多数残る観音崎に、当時の軍事観測施設が眠っている。

藪を抜けた先。石垣に挟まれた通路を発見。

まるで神殿へ向かう通路のよう。観光地でありながら、ここは殆ど誰にも知られていない場所だ。

見えてきたー!!

かたつむりのような掩体壕。知る人ぞ知る老舗のようにひっそりと佇んでいた。

ぬ〜ん。

会いたかった、会いたかった。経年劣化は否めないが、煉瓦を積み上げた強固な御仁だ。

お邪魔します。

内部に陽は届かない。実際はかなり暗い。

奥に穴が見える。地上に繋がる空気穴だろう。覗くと小さな虫たちが冬眠していた。

戦時中の空気がまだ滞留しているような気がする。戦争遺構には物言わぬ凄みがある。

入り口の目の前に壁があるので、引きで写真を撮ることは出来ない。この閉塞感も独特だ。

半島の歴史を鑑みるに、この施設は100年以上も前に作られたと推測される。

見上げると古代遺跡が崩壊するように、コンクリに歪みが見受けられる。木の根が人工物を粉砕しているのだ。

手摺りの支柱もサビサビ。潮風によるものだろうか。

階段の上へ

行ってみよう

そこには、観測施設の台座跡が、ストーンサークルのように並んでいた。

ゲームのセーブポイントっぽい。当時はどんな使われ方をしていたのか知る術が無い。

支柱は植物に覆われている。

この岩怪しい。

動かすと穴。かなり奥まで続いており、地下の空気穴に通じている感じだ。

ここは時間が止まったよう。人知れず星霜を重ねている。観光地にするには人の手もだいぶ加えなければならないだろう。ならばこのままでいい。

ふと思う。

この観測施設は戦争が終わったことを知っているのだろうか。戦後、戦争が終わったことを知らされずに南国の島に残り続けた日本兵の話が頭をよぎった。

そんな取り留めのないことを考えさせるほど、ここには独特の空気が流れている。

非日常から日常へ。足元では堆積した落ち葉が乾いた音を立てている。

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