S変電所は森の中にある。夏は到達至難だろう。
棘の植物がやたら多く、接近は大変だった。
夏季は藪に埋もれて視認も難しいのではないか。
さらに回り込み…
予想外の美しさにため息が洩れる。棘が数回刺さって痛かったことを割り引いても、十分に来た甲斐があった。
さぁ、メインの空間へ。
黄昏空間が待っていた。右奥から視線…
それは、何とも可愛らしい車。さらに右奥から視線…
黄色いお目々の車。眼力強めだ。
倉庫等として利用されていた時期もあったらしい。この車にはちびっ子が跨ったんだろうな。
年代物の自転車。こちらは親子で並走したのかな。
天井の木目の美しいこと。
豪雪地帯だ。よくぞ体を保っている。腕の良い職人さんたちが作ったのだろう。
夕方の黄昏も佳境を迎える。気持ちの良い空間だ。
君を乗りこなしたご主人様は、今はどこで何をしているのかな?また会いたいだろうな。静まり返った室内で、やはり彼は沈黙を貫いていた。
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