大正時代に造られた2階建ての近代建築。格子窓が特徴的で、ガラス張りの木造ベランダを備えている。
一時は解体の話も持ち上がったが、現在も美しく朽ちた状態で現存している。歴史的価値から一般公開されていた時期もあったという。震災等で建物が痛み、門扉は閉じられた。
しかし開いていた。
解体のためだろうか。内部はだいぶ片付けられている。
外観に劣らない、いやそれ以上の美麗なる空間が往時はあったのだろう。
昔は個人の邸宅だったと考えると、何とも優雅な気持ちになる。
二階へ。
やはり雑然としており、天井ではシャンデリアがポツンと取り残されていた。
向かい合う椅子。
まるで囲碁を興じているようだ。
可愛らしい少年の絵。これもこのまま廃棄されてしまうのだろうか。
楽しみなベランダへ。
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残された椅子。かつての主が座って寛いだのだろうか。
ここは建てられて一世紀を超えた。この窓も沢山の景色を映してきたのだろう。
ベランダは方角的にも南側に位置する。設計した方も自慢の建物だったに違いない。
廃の世界にありながら気品すら感じる。
いつかは来る運命の日。長い長い物語はもうすぐ終わろうとしている。
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