1973年に開業したラブホテル。10部屋程あり、それぞれがタイムスリップした如く、ぶっ飛んだ趣向を凝らしている。
不思議の国に舞い降りた。
情熱色をした床が抜けまくっている。タイムトラベラーの旅が静かに幕を上げた。
絵本から飛び出したかのような電話機。ダイヤルは滑らかに動き、受話器を置くとチンと小気味良い音を立てた。
部屋によってテイストが全く異なるが、和と洋の区分は明確だ。
この部屋は「水仙」
剥製が怖いぞ。
枯山水のような和を演出している。
こちらは中世ヨーロッパを模した部屋。
石膏のヴィーナスが寝てた…。
崩壊が進む部屋も多かった。底抜けも所々にあり危険だ。一階が駐車場で、二階が客室というモーテル特有の構造に起因する。
従業員専用の、細い廊下をズンズン進む。パンフレットを見つけた。この後「桐」→「葵」→「蘭」の順に入室していこう。
「桐」…お殿様は何処へやら。落武者の気分だ。後ろの絵は消え、灯籠も見当たらない。
↓
↓
↓
「葵」…等身大の甲冑だぁ~‼
かっこいい☆かっこよすぎる‼
よくぞ、残っていてくれた。長年に渡り盗難や破壊の危機もあったろう。その度に戦い、生き抜いてきた。廃墟界における歴戦の勇士の姿がここにある!!
おっ!パイレーツカリビアンの世界。この船の錆は元々なのか。かなり味が出てるぞ。
↓
↓
↓
「蘭」
落ち着いた大人な感じの部屋だ。宿泊料金が最も高額であることも頷ける。
円形のベッド。全体的に鏡張りであり、当時のトレンドを取り入れている。
部屋毎に凝ったお風呂がついていた。バブル期特有のホテルの高揚感は、お届け出来ただろうか。
興奮冷めやらぬままに…さぁ、帰るとしよう。現実の世界へ。
コメント