桐谷(きりだに)小学校。田園風景の広がる長閑な集落の中に位置する。昭和58年に近隣の下笹原小学校に吸収合併され廃校となった。
驚いた。
部分的にすっぽり校舎が全壊している。
渡り廊下のようになっていた鉄の扉が半開きだ。
近場で見つめる。下方に見える緑のポスターは、当時の生徒の作品だろうか。
振り返ると、こちらも派手に倒壊していた。
鉄の扉は微動だにしない。風が荒ぶる時だけ音を立てるのだろうか。
左手には大きな校舎が残る。高岡市の出身の洋画家の親子が、創作活動のアトリエとして使用していた時期があるという。
少し覗いてみた。
ここも長くは持たないだろう。
別の方の写真ではまだ原型を留めていた。遅かったかと思ったが、廃墟巡りとはそんなものだ。
右側から回り込むと、瓦が雪崩を起こしていた。これもなかなか見られない景色だ。
廃校となって約40年。ゆっくりと自然に還ってゆく。その前に解体されるのだろうか。
確かにあった人々の歴史が、淡い幻想と消えてゆくのだ。
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