使われなくなった林道をゆく。
イノシシ等の野性動物の生息地でもあるので、油断は出来ない。
倒れた木々の先に、ようやく赤い物が見えてきた。
ゲゲゲポストだ。
漫画「ゲゲゲの鬼太郎」に登場する「妖怪ポスト」を連想させるとして、こんな名前になったという。
ジー…。
ゲゲゲポストは無言。きっと照れ屋なのだ。
底はすっかり抜けている。
ゲゲゲ目線…。
よく見ると、電信柱と寄り添っている。
ポストがあるということは、付近に民家もあるということだ。
さらに進んでみよう。
道の整備もままならない山奥。この先に唐突に民家が…。
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あった!!まさにポツンと一軒家だ!!
これは通称「岩後の廃屋」と呼ばれている。ゲゲゲポストはこの家の郵便ポストだったのだ。
古い家屋だ。
電話帳には1999年まで個人名で記載があるため「岩後の廃屋」はその辺りに無住となったと推測されている。
お弁当箱と野球ボール。眺めていると、童心に返った気持ちになる。
外に置かれた白物家電。
人里離れた山中だ。きっとこのテレビ達も大活躍したのだろう。
なんと自転車だ。今は周囲に走れる土地が見当たらない。一本取られたような気がして何だか嬉しいぞ。
二層式洗濯機。
きっとお子さんのいる家族だったのだろう。不便も多かったと思うが、何だかちょっと羨ましさも感じる。
山を降りる。任務を全うしたゲゲゲポストに、軽く会釈をして帰るのだった。
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