片田舎の長閑な田園風景に、上手く溶け込めていない一軒の家が見えてきた。
1980年代頃の築らしい民家で、周囲に住宅のない変わった立地であるものの、ゆとりのある豪奢な作りとなっている。
1994年、自宅駐車場でこの家の主人の男性が撃たれて死亡しているのが見つかり、当初は殺人事件として扱われたが、事態は急展開を見せる。
不動産の社員でバブル崩壊により収入の激減した本人が借金を苦に、保険金目的で他殺に見せかけて自殺したものとわかったのだ。
いつしか付けられた名前が「銃殺の家」
なお、この主人の妻であった女性は、2010年1月に男性を刺した容疑で逮捕されている。
負の空気が漂っている。因みに当時の家族の写真らしきものも散らばっていた。
老朽化が甚だしい。所有者がはっきりせず解体が出来ないのかも知れない。
穴もあり要注意だ。ガラスも損壊し、天井も抜けて荒れた状態で、非常に気を遣う状態だった。
二階へ。
牢獄のように鉄骨が残る。
周囲は竹藪。夏はもっと繁茂するのだろう。
少しだけベランダに出てみよう。
何とも言えない気持ちだ。銃殺の家。勇ましい名前と裏腹に、家の中はびっくりするほど静かだった。
コメント