大正期に開業。趣深い木造建築が残されている。当時の状態がそのまま残っており、至高の廃墟美を見せてくれる。
凄い。
思わず呟いた。戦前の日本映画の世界に迷い混んだかのようだ。
一つ一つが展示品のよう。
窓、机、椅子、部屋全体から温かみを感じる。
小瓶に黄色い文字で脳の標本と記されている。
診察室の奥の手術室。
外で元気に鳴いていた蝉の声が一度止み、静寂につつまれた。何も耳に入らなくなるほど、眼前の光景に息をのんだ。
ここは分娩台。この部屋で、たくさんの産声が響いたのだろう。
なんてレトロなテレビ。
カラーではなく、白黒なのかな。
薬局の中に入ってみよう。
計量用の天秤。当時は処方する薬の調合もここで行われた。
1963年のカレンダー、とっても綺麗な女性だ。
危うい渡り廊下。
何とか渡り切ると、左右に各3部屋の入院病棟があった。
医師とのホットライン電話だろうか。昭和42年の電話帳も添えてある。
1970年といえば大阪万国博覧会。それをモチーフとした絵柄のカレンダー。
ここの所有者は地域で知られた有力者で町長なども歴任したという。四代目が少し離れた場所で新しい病院を開業中である。この時計のように、ここの時間は止まっている。
幻想的な風景が今も脳裏に焼き付いている。
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