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ホテル甚五郎

気持ちのよい遊歩道をのんびり歩いていると、突然あらわれる廃ホテル。

1960年に創業。3階建て一部4階建てで複数の棟から構成される。裏側からの様子からも巨大さが伺える。

2002年に閉業した後は、荒れた状態となりガラスが損壊、風雨が吹き込むようになり、天井が崩落し床が苔生する完熟の様相となった。

休日の昼間など山上駐車場が満杯になった際、この甚五郎横の駐車場に案内されることがあるが、皆一様に甚五郎の様相に驚くという状況になっている。

閉鎖されて約20年。入り口のゲームコーナーも年季が入りまくりだ。

色を失った完全な廃の世界。

いやもう凄いことになっている。奥の窓際が気になる。

椅子が黄昏ている。観光客の声がすぐ向こうの遊歩道から聞こえてくる。至近距離なのだ。

この近辺の廃ホテルは全て解体された。椅子たちは来るべき運命の日に備えて会議中だ。

大広間「源氏の間」へ。

どひゃー。沢山の蛍光灯が垂直に垂れ下がっている。

当時は結婚式も執り行われたという。

暗闇の中、床ががっぽり抜けて終末感に包まれている。実は地下もあるのだ。

2階と3階には客室が並ぶ。

以前は居候も滞在していたと聞く。

長い長い廊下。総客室数は51だ。

これだけ大きいと費用の面からも、解体も簡単ではないのだろう。

外では緑が繁茂し、非常階段を多い尽くしていた。

4階へ。

脱衣場だ。

落書きの目立つ浴場を抜けて…

おおお~!!!

屋島の絶景が一望だ~!!!

標高300メートル。瀬戸内を見下ろす抜群の立地なのだ。

石造りの展望露天風呂。失礼します…

ふぅ~…壮観なり。

ラウンジへ。

ここも完熟だった。

散らばる弾。サバゲーも行われたようだ。向こう側から見てみよう。

パーテーションがいい味出してる。有名な廃校「H小中学校」みたいだ。

心霊スポット扱いの廃ホテルだけど、上階からの眺めは素晴らしさを保っていた。訪問できて良かった。

ベランダではソファーたちが黄昏ていた。なんとも気持ちのいい場所。屋島は、源平の古戦場として知られ、那須与一の扇の的の舞台としても知られる。昔、今、そして未来、悠久の時が流れていた。

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