
この立坑櫓は昭和38年に総工費約20億円をかけて完成した。高さは43.8mで550mの深さまで鉱員を送り、地下から石炭を引き上げていた。1994年の閉山まで使用され、今も機械・電気系統が稼働時のまま残されている。現在でも動かすことができると言われている。

広い構内‼圧巻だ。

機械たちは沈黙している。


錆び具合が長い時間を感じさせる。

両脇の運転室に行ってみよう。

かつてここは「ネオンのともる立坑」と呼ばれた。24時間フル稼働、鉱員たちはシフト制で絶え間なく地下に送り込まれた。

地下の坑道を行き来したトロッコ。

当時の写真と見比べる。

この巨大な立体物は、今でいうエレベーターだ。本来は立坑櫓の中央にあり、地下へ垂直に鉱員達を届けた。


これも当時と見比べる。毎日毎日、様々な思いを運び続けたのだろう。
少し離れて機械室だ。行ってみよう。
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奔別炭鉱の感動再び。雰囲気が似ている。

このクレーン「35t」と記してあり、奔別も同じだった。製造元が同じなのだろう。


機械系において赤は映える。「機動戦士ガンダム」のシャア専用って感じ。

扉の中は複雑な機械がびっしりだ。

いざ、コクピットへ。



メーターが1100mまである。実はそこまで掘り下げる予定だった。それだけの性能を擁していた。ここの機械たちは不完全燃焼なのだ。

電力さえあれば動く。本当か?

物言わぬ巻き上げ機。やってみせるぜって顔してる。


最後に立坑櫓の中腹まで登る。トントントン…。

構内を一望。この空間で鉱員たちは一生懸命働いた。ダイナマイトを使う掘削作業には常に危険が伴う。数知れぬ事故で、命を落とした方も多いと聞く。


戦後の日本の繁栄には、鉱山で働く男達の存在があった。忘れてはならない。


時代の変化により、全国にある立坑櫓は次第に姿を消してゆく。そんな中、保存して見学会を催す動きもあるそうだ。体験に勝る経験はない。今日は贅沢な一日を過ごすことが出来た。
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