2000年3月31日に有珠山にてマグマ水蒸気爆発が発生、翌4月1日には温泉街に近い金比羅山でも新火口が開き、噴石や地殻変動により付近の家屋等が被災した。
桜ヶ丘団地は金比羅山の火口にほど近く、噴火により被災し放棄されたが、被害の実情を後世に伝える遺構として保存されている。
有珠山は定期的に噴火が繰り返されていることから体制が整っており、幸いにも直接の人的被害はなかったという。
桜ヶ丘団地は5階建ての集合住宅だ。
元々は3棟あったが、噴石と泥流の被害が大きかったこの1棟だけが残されている。
一階部分は泥流に埋もれている。避難命令は1年3ヶ月続き、その間は家財道具も取り出せなかったという。
圧倒的な晴天。
それを見つめる窓には、確かにあの日も映っていた。
遠くの白い建物も遺構だ。
町営浴場やすらぎの家。1988年に建てられたコンクリート平屋建ての町営公衆浴場で、1999年に改装されたばかりだった。
中を覗くと
噴石と泥流が堆積していた。
当時のままに残されている。
目の前に広がる美しき洞爺湖。
心地よい風が吹いている。
アパートの裏手には、流されてきた橋が激突した跡が残る。
外国人カメラマンの方がおり、色々話を聞かれたがうまく答えられない。分からないのだ。
同じ日本に住んでいても直接体験していなければ、実感も薄い。しかし直に見ることで理解は深まる。ここに来られて良かった。
提供:廃墟遺構空撮
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